2021年03月26日    卒業おめでとう。

ダニエル・ハーディングという指揮者をご存じでしょうか。なかなかイケメンのイギリス人指揮者です。

1996年といいますから、弱冠21歳でベルリンフィルを指揮し、その後ウィーンフィルなど、世界の名だたるオーケストラと共演しています。

ところが!!

彼は元来の飛行機好きが高じて、2019年、44歳のときに指揮者を休んで、パイロットになってしまいます。エールフランスという航空会社です。

3月25日(木)は岡山大学の卒業式でした。ハーディングのことはなんとなく知っていたのですが、「わーすごーい」くらいであまり気にしていなかったのですが、卒業生に何かを語らねばと思っていたときに、彼のことを見て、彼のことを話そうと思ったのです。

1つ目は、卒業しても、好きなことをやって生きていってほしいということ。
2つ目は、好きなことをやって生きるには、努力が必要だということ、
3つ目は、好きなことをやるためには、周囲の理解が必要だということ。

みなさんが昨日、4年間楽しかった、特に最後の一年間は楽しかった、と言ってくれて、うれしかったです。
コロナで会えなくても、みんなはこの一年間を自分なりに意味あるものとして過ごすことができました。その手伝いができたことは光栄です。

「自分で考えるということの楽しさを知った」というKMさんのことばは、その楽しさの本質を言語化してくれています。
KTさんが「研究が楽しいことを知った」と言ってくれたのも、KAさんが「ことばのおもしろさに気づいた」というのもとても頼もしく感じました。

楽しく生きることはものすごく大事です。この一年間、みんなに言い続けたことが、みんながこれから壁にぶち当たったときに、みんなの一助になることを願っています。
同時に、楽しく生きることはとても大変です。好きなことをやって生きていくには、努力が必要です。ときには才能のようなものが必要なときもあるでしょう。でも、好きならできるのが努力です。きっと楽しく乗り越えることができるでしょう。

好きなことをして生きたくても、生きられない環境にいる人々も世界中にいます。ミャンマーを見てください。みなさんの中には、ヤンゴン外大とのイベントに参加してくれた人もいますが、もしかしたらみんなと楽しく話した彼ら、彼女らは、いま生命の危険に晒されているかもしれません。
世界や社会に興味を持ってください。
そして、放っておくと、自由は気づかないうちに周りから徐々に消えてなくなっていくものなのだということを、肝に銘じてください。

長々と書きましたが、要するに、勉強し続けてください。昨日も言いましたが、何年後かに、みんなに出会うとき、いまのままの話、いまのままの話し方や振る舞いだったら、きっと残念です。みんながすごく成長して僕の周りに現れることを楽しみにしています。そのときまで、僕も勉強し続けなければなりません。

最後の最後に言うことはただ一つです。

何があっても、心身の健康を一番大切に。

たくさん遊んで、たくさん旅行して、たくさんの人と出会って、たくさんいい音楽を聴いて、本を読んで、おいしい酒を飲んでください。

卒業おめでとう!



同じカテゴリー(大学生の皆さんへ)の記事
 研究テーマの見つけ方 (2021-07-03 23:55)
 遠隔授業では、学生の成績差は対面授業の比ではないと思う理由 (2020-05-10 23:29)
 Social Distancing (社会的距離戦略)について (2020-03-23 00:41)

Posted by つんこ at 16:26 │Comments(0) 大学生の皆さんへ 思うこと
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。